ボツリヌス療法を実施しています。
当院では、上肢痙縮、下肢痙縮、痙性斜頸、眼瞼痙攣、半側顔面痙攣にボツリヌス療法を実施しております。(美容目的のボツリヌス療法は、今のところ予定しておりません。)
痙縮
脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)後の片麻痺患者さんの中には、筋肉のつっぱりや、筋肉の無意識の収縮、痛みが出現することがあります。これは、「痙縮」という症状です。痙縮の治療には、内服薬、ボツリヌス療法、衝撃波、リハビリテーションなどがあります。
それ以外には、脳性麻痺、脊髄損傷、それ以外の脳疾患などの後遺症として痙縮が出現することがあります。
例えば、脳卒中後の患者さんには、3か月後には約20%、6カ月後には約40%の患者さんに発症するという報告があります。(Sommerfeld 2004, Urban 2010, Ryu 2019)
痙性斜頸
痙性斜頸(けいせいしゃけい)は、首や肩の筋肉が意図せず収縮してしまい、頭部が傾いたり、回旋して固定されるジストニア(運動障害)の一種です。脳から筋肉への信号の異常により、特定の筋肉が慢性的に過活動となり、首の動きに支障が出ます。症状としては、首のこりや痛み、姿勢の異常、他人に気づかれることへの精神的負担などがあります。根本的な原因は明確でないことが多く、20〜50代で発症することが多いとされています。
治療の第一選択肢として用いられるのが、ボツリヌストキシン(ボトックス®など)を用いた局所注射療法です。
異常な収縮を起こしている筋肉に直接注射し、過剰な緊張を一時的に抑えます。効果は通常3〜4か月持続しますが、繰り返しの治療が必要となります。
気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。当院で実施可能です。
眼瞼痙攣
眼瞼けいれんは、両目のまわりの筋肉(眼輪筋など)が無意識に過剰に収縮し、まぶたが勝手に閉じたり、まばたきが多くなる病気です。
目の疲れや乾き、まぶしさから始まり、徐々に目が開けにくくなることが多く、悪化すると日常生活に支障をきたします。原因は脳内の運動調整に関わる神経伝達の異常とされ、女性にやや多く、中高年に多くみられます。
ボツリヌストキシン注射(ボトックス®など)は、眼瞼けいれんに対する第一選択の治療法です。
けいれんを起こしている眼の周囲の筋肉に直接注射することで、過剰な筋肉の緊張を緩和します。効果は通常2~3日で現れ、3~4か月持続しますが、繰り返しの治療が必要となります。副作用として、一時的なまぶたの下垂や違和感を生じることがありますが、多くは自然に回復します。注射部位や投与量は、症状に応じて医師が慎重に調整します。
当院では、経験豊富な医師が安全に配慮しながらボツリヌス療法を行っております。
片側顔面痙攣
片側顔面けいれんは、顔の片側にある表情筋が無意識にピクピクと動いたり、けいれんする病気です。
多くは目の周囲から始まり、次第に口元や頬、あごなどへ広がります。主な原因は、顔面神経(表情を司る神経)が脳血管に圧迫され、異常な信号が伝わることによるものです。
症状が進行すると、まばたきがうまくできなくなったり、人前での不安や生活の支障を感じることもあります。
治療法のひとつとして、ボツリヌストキシン(ボトックス®)を使った注射療法があります。けいれんしている表情筋に直接注射し、筋肉の過剰な収縮を一時的に抑えることで症状を軽減します。効果は通常3〜4か月持続しますが、繰り返しの治療が必要になります。
重度の場合には、外科的な神経減圧術が検討されることもありますが、まずは負担の少ない注射治療が第一選択となります。
当院での初診から治療の流れをご案内します。
治療のながれについて
ご予約
ボツリヌス療法は完全予約制です。保険適応外のボツリヌス療法(美容目的、肩こりなど)は行いませんので注意してください。
まずは予約システム、または、電話により予約をお願いいたします。
電話: 000-0000-0000
初診 (説明のみです。施注はその次の診療からです)
ボツリヌス治療の適応があるかどうかにについて診察します。
メリット・デメリット、費用等について説明し、同意書に署名を頂きます。
治療にかかる費用や期間、通院回数は症状によって異なります。
治療開始前に、必要時には検査を行います。
治療日予約
ボツリヌス治療開始日を決めて、次回のご予約を行います。
2回目以降の来院・治療
ご予約された時間の5分前までにご来院のうえ、受付に診察カードをご提示ください。
もしご来院できなくなったり、遅れる場合はお電話にてご連絡ください。
※月はじめに健康保険証のご提示が必要です